最高裁判所第二小法廷 平成9年(あ)106号 決定 1997年4月07日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人辰巳和正、同森統一、同前畑健一の上告趣意は、単なる法令違反、事実誤認の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。
なお、公職選挙法一九九条の二第一項、二四九条の二第一項の罪が成立するためには、寄附を受ける者において当該寄附が公職の候補者等により行われたことや当該選挙に関して行われたことの認識は必要としないと解すべきであるから、本件につき右の罪の成立を認めた原判断は、正当である。
よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 根岸重治 裁判官 大西勝也 裁判官 河合伸一 裁判官 福田博)